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働き方改革が若者に与える影響とは

天秤 バランス

働き方改革とは

働き方改革という言葉をよく耳にすると思いますが、働き方改革とは一体何なのでしょうか?

「働き方改革」とは、「働く人が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするための改革」です。これだけを聞くと何なのか全く分かりませんが、その為に2019年に施行されたのが「働き方改革関連法」です。

10年で若者が見てきた社会

働き方改革関連法とは、既存の労働法に加えられた改正の総称の事です。簡単に言うと残業の上限を規制し、有休消化を促し不当な待遇差を禁止する事で生産性を向上させる為に出来た法律です。

ではこれで生産性が向上し職場は働きやすくなったのでしょうか?

厚生労働省が発表している、新規学卒就職者の離職状況のグラフを見ると、働き方改革関連法が施行されたのは令和元年(平成31年)ですが、離職率に殆ど変化はありません。むしろ入社1年目で離職する若者は増えているのです。

本当のブラック企業とは成長出来ない企業

離職率2022

厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和5年10月20日)

働き方改革により離職率が増える理由

働き方改革関連法が施行され、これからという時にコロナになってしまいました。入社1年目からテレワークというケースもあり、確かに仕事は楽になりました。しかし、働き方改革による残業規制の影響で若者に過度な残業はさせられない為、現場を回すために管理職の人間がより多くの仕事を抱え込むようになってしまったのです。

その結果、重要な仕事は任せられない事が多く、新入社員にしてみればただ職場が緩くなっただけで成長の場を失ってしまい、将来への不安から離職してしまうのです。

本当の優良企業とは何なのか

いくら大企業で働きやすくても、ホワイト過ぎる職場では将来への「不安」が全てを上回ってしまうのです。ただその不安を補ってくれるのが「成長」です。本当に面白い仕事とは成長出来る仕事の事なのです。人は成長を感じる事で、その作業に伴う苦労・疲労・時間などを超越してしまう性質があるのです。だから楽しい時間は短く感じるのです。

ちなみに2024年問題とは、残業の上限設定は2019年から開始されていましたが、物流業界などは2024年まで適用が猶予されていました。2024年にその猶予期間が終了するため、物流ドライバーの労働時間の縮小により、長距離運送などの物資の輸送能力が不足し、物流に支障をきたす恐れがある問題のことです。

・・・ただこれでは本末転倒ではないでしょうか?

働き方改革というのは、法を整える事で確かに環境は良くなりましたが、生産力やモチベーションという観点からは愚策と言わざるを得ないのです。

本当に面白い仕事とは成長出来る仕事

仕事選びのポイントは成長出来るかどうか

以前、新入社員研修の際の会話にて、
私「入社して1ヵ月たったけど研修の調子はどう?」
新入社員「毎日成長を感じられてすごく楽しいです!大学の4年間一体何だったんだって思いますよ(笑)」

何気ない会話だったのですが、私はこの事が未だに忘れられません。

就活の際に企業規模やイメージで選ぶのではなく、どれだけ自分が成長出来るかが仕事選びのポイントなのです。「成長」を分かりやすく言えばITスキルの事です。今ではどの学校でもプログラミングが必修科目ですし、これだけどの企業でも使える汎用的なスキルはありません。貴方がよほど何かのスキルに特化しているなら別ですが、何がやりたいか分からない人ほどITに拘った方がいいでしょう。IT業界から営業への転職は可能ですが、その逆は難しいからです。もしIT業界が合わなかったとしても、後から潰しが効くからです。

新卒でサービス業はお勧めしない理由

近年のAIの進化により、イラストレーター・運転手・レジ打ちなど、人力で行うような仕事はこれからどんどん駆逐されていくでしょう。「本当に新しい価値を創造する」という事は、AIを創る側になる事なのです。

ワークライフバランスの相乗効果とは

ワークライフバランスとは、仕事がうまくいけば私生活も潤い、全てがうまくいく、そして生活を充実させれば仕事もはかどり、人生はうまくいくという2つの相乗効果の事です。

ワークライフバランスに必要な3つのポイント

そしてそのために必要な要素が「職場の環境・会社の制度・あなた自身」です。職場の環境とは、仕事内容や人間関係も含めた自分が置かれている状況の事です。会社の制度とは、待遇や福利厚生、そして評価制度などを含めたキャリアビジョンです。そして3つ目のあなた自身とは、私生活を通じてあなたがどれだけ前向きに物事に取り組めるかです。

ワークライフバランスの図

この3つはどれが欠けてもいけません。いくら職場の環境や会社の制度が良くても、あなた自身がダメだと全てが台無しになってしまいます。そしてあなた自身がいくら前向きでも、職場の環境や制度が良くない(合わない)場合、やはり全てが台無しです。ワークライフバランスに必要な3つの要素は足し算ではなく掛け算なのです。どれか1つがマイナスだと全てがマイナスになってしまいます。

ワークライフバランスとは、「いくら会社が環境や制度を改善したとしても、あなた自身が変わらないと何も変わりませんよ」、という事なのです。

働き方改革もそれと同じで、いくら環境を整えたからと言ってそれで幸せになれるわけではないのです。人が幸せになる為に必要な要素は「自由・成長・喜び」の3つです。人は仕事を通じて成長し喜びを得る事が出来ます。成長した結果、選択肢が広がり転職やお金などの自由を得る事が出来るのです。いくら大企業でも成長が得られない環境では人は辞めてしまいます。重要なのは仕事を通じて得られる「自由・成長・喜び」のバランスなのです。
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木山智義のプロフィール

株式会社ハイストリート

 

筑波大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程修了
株式会社ハイストリート 代表取締役
東京のIT企業にて年間300人以上の方と面接を行っており、会社を経営しながら、採用コンサルタント、統計アナリストとして活動しております。

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