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人は環境によって全てが決まる

アフリカ

人を変えようとしてはいけない

先日、とある大学教授と若者の教育について話す機会があり、興味深いお話を聞けました。

教授「教育に必要なのはもう1つのコミュニケーション力です。家族・友人・恋人など、好きな相手とコミュニケーションが取れるのは当然ですが、苦手な相手や違う環境でもきちんとコミュニケーションが取れるかどうかです。コロナの影響でそれが顕著になってしまいました。」

私「なるほど。ただコミュ力なんてある人は最初からありますが無い人は無い。無い人にコミュ力を身に付けさせるなんて無理じゃないですか?」

教授「人を変えようとしてはいけません。どうせ変わりませんから。」

私「はい?」

教授「いくら相手を変えようとしても絶対に空回りしますし相手も迷惑なだけです。まず重要なのは嘘でもいいから、”あなたは変わったね”と言ってあげる事です。人は周りから評価されると嬉しくなって意識が変化するのです。そして後は小さな成功体験を積ませてあげる事です。」

私「なるほど。きっかけと自信を与えてあげる事が重要なのですね。」

教授「そうです。科学的に言えば人によって脳の構造に違いはありません。でも結局能力に差が出てしまうのは、人によって環境に差があるからです。」

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環境が人の性格を変える

「もし自分の性格を変えられたら、人生はもっと豊かになるのに。」そう誰もが思うでしょう。人はいくら変わりたくても自分の意志では変わりません。環境が変われば必然的に人は変わるのです。

私は学生時代にインドネシアの村でホームステイを経験しましたが、1番衝撃的だったのは、現地の人は何も無いのに豊かな生活をしていたという事です。現地では「働く」という行為は優秀な人が自発的にやるものであって、優秀な人が親戚全員を養うのです。殆どの人は結婚して子供もいるのに無職、昼間からダラダラするのは当たり前、しかも超ポジティブなので自殺率は世界最下位。不思議な事にそんな環境に居ると、いくらネガティブな人でも帰る頃には皆ポジティブな性格に変わってしまうのです。

「インド行ったら人生変わった」というのが昔流行りましたが、結局人は環境でいくらでも変わるのです。生まれつきポジティブな人とネガティブな人がいるわけではなく、その違いは成長過程による環境の差なのです。

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環境が全てという事を証明した「銃・病原菌・鉄」

進化生物学者ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」は世界的なベストセラーになりましたが、その内容を簡潔にまとめると、「かつてヨーロッパが世界を掌握していたのは、白人の遺伝子が優秀だからではなく、たまたま環境が良かっただけ。」と言っているのです。

その大きな環境要因とは、ヨーロッパのあるユーラシア大陸は横長の大陸だからです。横長という事は緯度がほぼ同じなので気候が殆ど同じなのです。例えば、東京・大阪・福岡は緯度が同じなので気候も同じですが、北海道と沖縄は緯度が違うので気温や気候は全然違います。気候が同じだと1つの場所で成功した農業や家畜の生産ノウハウを隣の国でもお互いに踏襲出来るので、飛躍的に農業や酪農が発展し、衣食住が充足する事でヨーロッパは文化的にも発展しやすい環境にあったのです。

それに対しアフリカ大陸は縦長の大陸です。縦長だと国によって緯度(気候)が大きく異なるため、砂漠・熱帯雨林・南はサバンナ気候と、生産システムをそのまま踏襲する事が出来ないのです。しかもアフリカは土地が不毛な為、狩猟採集や焼き畑をしながら常に移動する必要があります。そうなると統一的な社会を作ることがほぼ不可能になり、小規模な部族が沢山出来てしまいます。この部族は言語・文化・宗教も違うので、統一的な軍事システム(銃・病原菌・鉄)を持つヨーロッパに勝てる訳がないのです。

ヨーロッパとアフリカは地理的には近いものの、環境の差によって国力に圧倒的な差があったのです。そしてヨーロッパはアフリカ大陸から資源・土地・奴隷等を搾取し、他国に売買する事で莫大な利益を得る事が出来たのです。

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これらの歴史が証明しているのは、生まれつき優秀な人とそうでない人がいるわけではなく、「環境の差=能力の差」という事なのです。環境に適応した結果、進化にも差が生まれてしまうのです。決して人種によって知能に差があるわけではないのです。

人は変わろうとしても変わりません。ただ環境を変えれば自然と変わるのです。小さな範囲で言えば、実は人が抱えている悩みの根源は殆どが人間関係です。環境を変えるとその人間関係がリセットされたように感じるので、少なくとも悩みやストレスはかなり軽減されます。気持ちが変わると行動も必ず変化しますよ。
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木山智義のプロフィール

株式会社ハイストリート

 

筑波大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程修了
株式会社ハイストリート 代表取締役
東京のIT企業にて年間300人以上の方と面接を行っており、会社を経営しながら、採用コンサルタント、統計アナリストとして活動しております。

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