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自己PRには激変した事ではなく忍耐力

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激変系のエピソードは意外と普通の事が多い

送られてきた履歴書に目を通していると、よく自己PRの欄に、「私の人生は〇〇を境に、180度変わりました」という内容が多く見られますが、この、激変系のエピソードというのは、実は逆効果です。

インパクトのある内容にする事で、他の方と差をつけたい気持ちは分かりますが、激変系の自己PRは、ダメな理由が2つあります。

一つ目の理由は、ほとんどの方は当たり前の事をただ大げさに感じているだけだからです。


私は、学生時代にサッカー部に所属しており、毎日一生懸命努力したにも関わらず、

最初の頃は全く勝てず、何度もくじけそうになりましたが、

引退試合で勝利を収め、仲間とのチームワークや努力する事の大切さを学びました。

私はその日から、どんな事にも一切妥協せず、自ら能動的に取り組む事が出来るようになりました。


サッカーが好きなのは分かりますが、自分が好きでやっている事を頑張るのは当たり前です。そもそも、試合で1回勝っただけなのに、それが人生を変えるほど劇的なエピソードでしょうか?

しかも引退試合でと書いてあります。逆に言えば、「22歳まで何事にも能動的に取り組めなかったの?」と思われてしまいます。


学生時代に行っていた飲食店のアルバイトでは、お客様の事を第一に考えた接客を行い、

新人教育と現場の責任者を任されていました。

その経験から私は、人に頼る事なく責任を持って行動出来るようになりました。


アルバイトをしていれば誰にでも当てはまる内容です。

お客様の事を第一に考えたり、新人教育をするのも、ただ業務の一環でしかありません。普通の事なのに、「なんでそれで人生が激変するの?」と思われてしまいます。

自己PRには忍耐力をアピールできる内容を書こう

2つめの理由は、企業としては、むしろ激変されては困るからです。

よほど目の前で親を殺された経験ならまだしも、日常生活で普通にあり得る事がきっかけで、性格や理念が激変してしまう方は、「この人はウチに入社しても、またすぐに何かのきっかけで気が変わって辞めるんじゃないか」と思われてしまうのです。

企業としては、長くコンスタントに働く人材を求めているのです。

変わりやすい人というのは、ちょっとした事で、良くも悪くもどちらにも転びます。

自己PRには、激変したエピソードではなく、忍耐力をアピール出来る内容を書く事が大事です。

これに関しては、そんなに難しく考える必要はありません。今まで長くコツコツと続けた事のある経験を書けばいいのです。

私がその中で一番高く評価しているのは、やはり「皆勤」です。

下記のような自己PRは大変効果的です。

「私は高校時代に、三年間一度も休む事なく、皆勤賞を受賞しました」

「私は部活で一日も休まずに練習に参加しました」

「私は〇〇の勉強を4年間毎日続けています」

ちなみに、アルバイトや趣味の事を書いても構いません。

「私は〇〇のアルバイトで、学費を賄うため、1ヶ月に20日以上シフトに入りました」

「私は趣味の〇〇を小学生の頃から10年以上続けています」

「私は趣味のマラソンで、〇〇時間〇〇分のタイムを出しました」

以上の様な内容ですと、企業としては、「この方は、パフォーマンスを落とす事なく、長く安定して働ける方なんだ」という印象を受けるのです。

私の強みは忍耐力ですというのはNG

ここまで「忍耐力」について書きましたが、だからと言って、「私の強みは忍耐力です」「私には忍耐力があります」というのはあまり良くありません。

あくまで、「忍耐力がないと出来ないエピソード」を自己PRに書く事をお勧めします。

何故かというと、そもそも「忍耐力」という言葉自体が抽象的ですし、忍耐力は計れるものではないので、人によって忍耐の基準も違います。それに、忍耐力という言葉だけでは、良くも悪くもどちらにもとらえられるのです。

それは、ただ我慢しているだけでも忍耐力になるからです。

「私は我慢強い人間です」というと、自己PRになると思うかもしれませんが、人から何を言われても我慢、劣悪な環境でも我慢、言いたい事は言わずに我慢、このように、我慢というのは「受け身」の印象を与える言葉でもあるのです。

もちろん何かを継続する時は我慢も必要です。しかし、会社で仕事をする際には、自分の考えを主張する事も大事です。受け身の方よりも、能動的に動ける方が採用では好ましいのです。

そもそも、企業が履歴書を見たり面接をする理由は、単純に、うちでどんなパフォーマンスを発揮するのかを知りたいからです。

面接官は初対面です。特別な感情を汲み取る事はありません。あくまで履歴書を見て判断せざるをえないのです。例えば、大学を出て新卒で入った会社を1年で辞めて、次の会社も1年で辞めて、更に次の会社も1年で辞めた方の職務経歴書があったとします。

もしあなたが採用担当なら、「この人ってウチに来てもまた1年で辞めるんじゃないか?」と思いますよね?それは当然の評価だと思います。

なので、もちろん質も大事ですが、長く続けたエピソードというのがとても重要なのです。

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木山智義のプロフィール

株式会社ハイストリート

 

筑波大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程修了
株式会社ハイストリート 代表取締役
東京のIT企業にて年間300人以上の方と面接を行っており、会社を経営しながら、採用コンサルタント、統計アナリストとして活動しております。

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