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学歴をカバー出来るのは再現性のあるエピソード

新聞とパソコン

ある大手銀行の学歴フィルター

2015年6月に、ある大手の銀行が学歴フィルターを行っていると話題になった事があります。

日東駒専クラスのある大学生が、ある大手銀行の会社説明会にエントリーしようとしたところ、解禁日当日にも拘わらず「満席表示」となってしまいました。しかし、他の大学の友人にその話をしたところ、その友人はその後にエントリーしたのに普通に予約する事が出来たというのです。

これに疑問を感じた大学生が、偽のアカウントを作り、学歴を東京大学在学中にして再度エントリーしたところ、なんと予約可能の表示が出たのです。これを学歴フィルターといいます。

学歴フィルターとは、企業がある一定の大学の学生を優遇し、その他の大学の学生からのエントリーに対しては「満席表示」をする事で、体よく学生をふるいにかける行為の事です。そうする事で企業は効率よく人材を選別出来るというメリットがあります。

この事例はツイッターなどで拡散され、色々な物議を醸しだしました。「学歴不問だなんて嘘じゃないか」「なんて露骨な学歴差別だ」、そんな声がネットで飛び交う中、「何を今さら?」「そんなのどこの企業もやっているだろ」、といった冷静な意見もあり、賛否両論となりました。

学歴フィルターは無いとは言い切れませんが、エントリーの段階でここまで露骨に行う企業はごく僅かです。殆どの企業は出来るだけ多くのエントリーを集め平等に選考を行っていますよ。

就活や転職において学歴はただの思い込みはこちら

よほど専門性の高い学部なら別ですが、学校のカリキュラムと業務内容には何も関係がないのに、なぜ就職には学歴が必要とされているのでしょうか。

中途採用と違って新卒の場合は職歴が無いので、入社後のパフォーマンスが見えずらいのです。なので企業にしてみれば、ウチの会社でも同じように頑張ってくれそうな、「再現性」のあるエピソードや根拠が欲しいのです。

実はその「再現性」の役割を担っているのが「学歴」なのです。

学歴は偏差値で評価を数値化出来ます。そして世間一般でいう知名度や学校ごとの特色もあり、一番評価がしやすい基準なのです。要は、「この子はこのくらい勉強を頑張ったんだから、ウチの会社でも頑張ってくれるだろう」という期待感や可能性です。学歴はその再現性がとても強いのです。

という事は、再現性のあるエピソードや根拠さえあれば、学歴なんていくらでもカバー出来るのです。

入社後のパフォーマンスを担保する再現性のあるエピソードの身近な例としては、その企業と密接な関係のある技術や資格を取得したりする事です。同じ業界でのアルバイトや業務経験も強みになるでしょう。

実はエピソードに再現性を持たせるコツがあります。それは、「忍耐力」をアピールする事です。

自己PRには激変した事ではなく忍耐力が必要

例えば、「私は大学時代4年間同じアルバイトを続けました」というエピソードの場合、同じアルバイトが4年間続いたのなら、その後の4年間もその仕事をやり続ける可能性が高いですよね?これが再現性です。

「私は高校3年間1日も休む事なく皆勤賞を受賞しました」というエピソードの場合、これだけ休まずに長期間通学出来たという事は、業務も根気よく取り組める可能性が高いのです。忍耐力のあるエピソードが思い浮かばない場合は、継続力と置き換えてもいいと思います。

「私は前職は10年勤めました。そこで〇〇の資格を取得し、〇〇の分野で新人の育成を行っていました。」という人の場合、もう殆どパフォーマンスが担保されていますよね。エピソードに再現性がちゃんと盛り込まれています。

ちなみに業種と直接関係無いエピソードでも、努力・忍耐力・継続力が伺える内容なら大丈夫です。
◆私はマラソンを10年続けており、〇〇のタイムを出す事が出来ました。
◆私はかるた大会の県代表として全国大会に出場しました。
◆私は毎日ブログを更新しています。

逆に、「前職は1年で辞めました。その前の仕事も1年で辞めました。今は何もしていません。」という人が居た場合、「この人はウチに来ても、またどうせ1年で辞めるんじゃないか。」と思われても当然ですよね。意外にこの事を自覚していない人がとても多いのです。だから私は、「今現在は何を勉強していますか?。以前と今とで違う点は何ですか?」という質問を必ずします。何のトレニーングもしていなかった場合、今後も同じ事を繰り返す可能性が高いからです。

ちなみにこちらが再現性の無いエピソードの例です。
◆最近趣味で〇〇を始めました。(日が浅い)
◆私には集中力、責任感、行動力があります。(具体的な例が無い)
◆私は〇〇が好きな気持ちでは誰にも負けません。(誰でも言えてしまう)

就活や転職で成功する人の5つの共通点はこちら

以上の事を踏まえて、自己PRにちゃんと再現性のある自分だけのエピソードを盛り込んでおけば、むしろ学歴なんかよりもずっと魅力的な内容になるはずです。人と同じような履歴書を書く人は、内容に自信が持てないので面接でも余計に苦労してしまうのです。

念のために言っておきますが、学歴はあくまでもただの学歴です。それが人生を左右する事はありません。社会人にもなって学歴に拘る人は、むしろ頭が悪いと思います。本当に頭の良い人というのは、ポジティブで積極的に自分の可能性を広げていく人です。私の経験上、仕事で結果を出す人や起業家は例外なくポジティブな人ですから。
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木山智義のプロフィール

株式会社ハイストリート

 

筑波大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程修了
株式会社ハイストリート 代表取締役
東京のIT企業にて年間300人以上の方と面接を行っており、会社を経営しながら、採用コンサルタント、統計アナリストとして活動しております。

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