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企業が求める人材と自己PRのミスマッチ

水晶

面接回数は人によって差がある

私は年間何百人の人と面接を行いますが、実は1回の面接で内定を出す人もいれば、中には内定を出すまでに3~4回面接を行う人もいます。その理由としては2つあります。1つはその人の本音がなかなか見えない事です。いくら優秀でも本音が見えない人というのは、業務や待遇のミスマッチに繋がるので企業としても雇いづらいのです。そして2つ目の理由としては、「自己PRのミスマッチ」です。

そのようなボタンの掛け違いが生じてしまうと、企業が求めている力と求職者のアピールする部分が違うため、その人の入社後のパフォーマンスが見えずらいのです。

自己分析がきちんと出来て、自分の強みが分かっていても、それが企業が求めているものと食い違っていたり、きちんとそれを表現(自己アピール)出来ていない人がとても多いのです。今回は本来持っている良さを引き出すための自己PRの仕方(書き方)を伝えたいと思います。

自己PRには激変したエピソードではなく忍耐力

志望動機や自己PRは、もう殆どの人が同じような内容です。以下の自己PRはその典型的な例ですが、エピソード自体は面白いのに、大抵の人は自分の長所が表現出来ていないのです。

■よくある自己PRの例①

私は何事にも向上心があります。私は大学2年の夏休みに、苦手な英語を克服するため、カナダでの1ヵ月間の英語研修プログラムに参加しました。カナダに行くまでは、学校で学んだことを復習し、何度も英語の先生の部屋を訪問して英会話の練習をしました。現地では色々と苦労しましたが、最後までプログラムをやり遂げる事が出来ました。短い期間でしたが、出来るだけ多くの学生とコミュニケーションを積極的に取る事で、最終的に日常会話レベルまで会話が可能になりました。

この自己PRで本人が伝えたい事は向上心です。しかし私から見れば、この人には積極性や行動力があり、コミュニケーション力と愛嬌に優れている、という「隠れた長所」がこの自己PRから推測出来ます。

理由としては、大学教授の部屋に頻繁に通う事は普通は中々出来ません。ここに積極性・行動力・コミュニケーション力が見て取れます。そして教授としても授業以外での個人レッスンは面倒だと感じるでしょう。しかし、それでも特別にやってあげる程の「何か」がこの人にはあるのです。それが愛嬌だったり、ポジティブな図々しさだったりするのです。

誰でもすぐにポジティブ思考になれる実験方法

ただ「現地での色々な苦労」とありますが、どんな苦労だったのか詳細は必ず書きましょう。企業はどんな事にストレスを感じるのかを知りたいのです。自社の業務に当てはめてストレス耐性をチェックするためです。

■よくある自己PRの例②

私が学生時代に注力した事は、漫画サークルの部長を務めた事です。3年生が主体となって行うイベントの際に、リーダーシップに対する苦手を克服するために、自ら部長に立候補しました。自分がやるべき事に優先順位をつけて実行すると同時に、部員の意志を尊重しながら役割分担を行い、全員が主体的・自発的に行動出来るような状態を整えました。そしてイベントは大成功し、たくさんの方から感謝の言葉を頂きました。

この文章だと、ただ起きた出来事が書いてあるだけで結果何を学んだのか、なぜイベントが成功したのかが分かりません。この人は能動的に行動出来るリーダーシップの素質は確かにあると思いますが、具体的に何をしたのかが書いていないので、何を自己PRしたいのか伝わらないのです。

ただこの人の文章から読み取れる隠れた長所は、「管理能力」です。人の話を聞きながら役割分担を行い、全員にチームの方向性を示す事に長けており、中間管理職などに向いているタイプです。このような人は「成長期」の企業を目指すといいでしょう。シェアを拡大したり、店舗や人員を増やすためには、人材管理や社内のマネジメント化が必要なため、「次世代リーダー的な人材」を求める傾向があるからです。

企業の求める人物像は成長段階によって異なる

リーダー経験を含む自己PRは、より責任が伴うため、書き方はどうであれ内容に説得力が出るのです。大抵の自己PRは、「私には粘り強さがあります」「私には継続力があります」というのが多いのですが、殆どが日常生活であり得るようなありきたりな内容が多いからです。

■求める人材による自己PR方法

①:人柄重視で採用する企業
人柄重視の企業は、【趣味・サークル・ボランティア活動・コミュニケーション力・協調性など】を必ず重視します。人柄重視の企業は大抵グループワークを行いますので、こちらの記事を必ずチェックしておきましょう。

グループワークの目的と7つの対策ポイント

②:作業能力で採用する企業
作業能力で採用する企業は、【筆記・小論文・特別課題型の試験制作・WordExcelなど】を必ず重視します。学習に関する事項が多いので、学校などで具体的に取り組んだ事例がポイントとなります。

③:幹部候補を採用したい企業
幹部候補を採用したい企業は、【ビジネス感覚・スピード感・仕事で成し遂げたい事・取り組みたい事業・なぜこの会社かなど】を重視します。幹部候補を志望する方は、「創業期」の企業を選ぶといいでしょう。創業期の企業は、新しい事に取り組む熱意のある人材を求めるからです。
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木山智義のプロフィール

株式会社ハイストリート

 

筑波大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程修了
株式会社ハイストリート 代表取締役
東京のIT企業にて年間300人以上の方と面接を行っており、会社を経営しながら、採用コンサルタント、統計アナリストとして活動しております。

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