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企業の求める人材は成長段階によって違う

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4つ成長段階による求める人材の違い

企業が人を採用する際の基準というのは、「とにかく優秀ならそれでいい」という訳ではありません。「どんな人を採るのか」というテーマや方針というのが必ずあります。

それは、同じ業界でも企業の成長段階によって、求める人材というのは違うからです。

企業の成長段階によって、企業規模や事業の方針・展望や進め方も背景も違います。

分かりやすい例で言うと、富士フイルムという会社は、1930年代は本当にフイルムなどの写真関係を扱う会社でしたが、現在では医療・印刷・液晶ディスプレイや複合機などを扱う会社です。そして今後は医療関係の領域を拡大していく方針ですので、昔と今では企業の求める人材が全く違うのが分かるでしょう。

企業の成長段階は大きく分けて、①創業期・②成長期・③成熟期・④転換期の4つに分かれます。

4つの段階は全て求める人材が違います。

自分が行きたい会社をその4つのうちのどれかに当てはめて考えれば、自分がその会社に合っているのか、その会社と自分にどういう接点があるのかが分かるでしょう。

①創業期

創業期の企業というのは、まずは会社を黒字化させる事が第一優先です。まずは売上を得る事で、キャッシュが手に入らないと、事業を継続・発展させていくことが出来ないからです。

この段階では、企業は「バランス感覚よりも熱意のある人材」を求めます。

学歴うんぬんよりも、とにかくやる気があって軸がブレない人材です。向いているのは、固定観念にとらわれず、様々な事に取り組み、新しいアイデアを出すのが好きな人。又はどんなチャンスでも自分のものにする気持ちが強い人などです。

あとは純粋にベンチャー志向の人や、新しいものが好きな人、経営者を目指すような人は、創業期の会社を選ぶといいかもしれません。

②成長期

成長期の企業は、シェアを拡大したり、店舗を増やしたり、人員を増やす事が目的です。その為には、人材管理や社内のマネジメント化を進める必要があります。

この段階では、企業は「次世代リーダー的な人材」を求めます。

勿論、入社の段階でリーダー経験が必要な訳ではなく、「将来的にリーダーの素質がある人材」という意味です。

外食産業では、店舗や現場で経験を積み、その後店長(リーダー)になるというキャリアモデルがありますが、好ましいのは、入社時からそれを見据えたパフォーマンスを発揮出来る人材です。ちなみにリーダーの素質というのは、「人をマネジメントする能力」と「成果主義で評価する能力」です。

成長期の企業の見分け方は、純粋に募集枠がたくさんあり、積極的に採用活動をしている企業です。そして、リクナビやマイナビだけでなく、その他様々な採用サイトに広告を出していたり、自社のリクルート用のホームページが充実している企業は、成長期の可能性が高いでしょう。

ちなみに、リクルート用のページがない(充実していない)企業というのは、4つの成長段階のどれにも当てはまらない可能性があるので危険です。

それは、採用の背景が無く、ただ人を補充したいと思っている企業だからです。

「人がいないから補充します。だれかいませんか?」これではアルバイトと同じ次元です。採用は補充ではありません。なぜ募集しているのか?という明確な理由がある企業を選ぶ事が大切です。

③成熟期

成熟期の企業は、シェアの維持拡大の為、組織の再整備や新事業を打ち出す事が必要になってきます。このあたりから、顧客に対し他社には提供できない魅力、所謂その企業のコアコンピタンスというものが生まれてきます。

この段階では、企業は「特定分野に特化した人材」を求めます。

これは、入社の段階で高いスキルが必要という事ではなく、「そのように育成出来る人材を求める」という意味です。

企業の成長段階を見分ける目安は規模ではなく、その企業の中途採用の募集項目に、異業種からの積極的採用を行っていたら、まず間違いなく成熟期以上だと思っていいでしょう。

④転換期

転換期の企業は、その名の通り事業を転換したり、新たな社風を取り入れていく必要性があります。

この段階では、企業は「高い挑戦志向を持ち、フレキシブルに対応できる人材」を求めます。

この場合、新卒なら総合的な能力を求められます。特にどんな環境においても高い適応能力がある方が好まれるでしょう。

企業が生き残る為には、時代の変化へのアジャストが必須になります。

近年のIT化の影響により、商品やサービスのライフサイクルが短くなっており、世の中の変化に柔軟及び迅速に対応出来る人材が求められています。

成長段階の目安として、企業の中途採用の募集項目に、グローバルに高い経験スキルを要求している場合、その企業は転換期の場合が多いのです。

それは、新しいサービスや商品を打ち出す場合、これからは既に国内だけでなく、グローバルに俯瞰的な視野を持って活躍出来る人材というのが必要だからです。

これからは世界に目を向け、多様性の確保(ダイバーシティ)の観点に基づいたビジネスを展開していく必要があります。企業の成長段階によって求める人材も違えば、入ってからの成長速度もまるで違います。

自分がどのように活躍したいのかをイメージ出来れば、自分に合う企業がどの成長段階にいるのかが見えてきますよ。

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木山智義のプロフィール

株式会社ハイストリート

 

筑波大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程修了
株式会社ハイストリート 代表取締役
東京のIT企業にて年間300人以上の方と面接を行っており、会社を経営しながら、採用コンサルタント、統計アナリストとして活動しております。

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