活躍出来る素質や能力を引き出す面接対策
面接官が使う3つの質問手法
私は年間何百人という方と面接を行いますが、1対1のフランクな状態での面接にも拘わらず、極度の緊張からガチガチになってしまい、結果何も話せなくなってしまう人がたまにいます。企業の採用面接と聞くと、パイプ椅子に座らされた状態で、年配の重役クラスの方5,6人に囲まれているような場面を想像してしまうかもしれませんが、おそらくそこで普段通り話せる人は殆どいないでしょう。
今時そんなやり方では、相手をただイタズラに緊張させてしまうだけで、結果何も本当の事が出てこないのです。本来面接というのは、「その人が優秀かどうか」を見ているのではなく、あくまでも「自社で活躍出来る人材かどうか」を確認するために行うものなのです。
その為には、本人が活躍できる資質を持っているか、本人の過去の実績が本人の能力や努力によるものであるかどうかを質問で見極める必要があります。しかし、そうした資質や能力は1つの質問で見極められるものではありません。様々な角度からいくつもの質問を行う事で明らかになっていくものなのです。
今回は面接官がよく使う、「3つの掘り下げる質問手法」をご紹介したいと思います。これにより面接における質問の意図を理解しその対策を立てる事で、自分の持っている素質や能力を引き出す事が可能になります。
Ⅰ:同じ質問を繰り返す
1つの主張や発言に対して、「なぜそのように思うのですか?」という質問を3回繰り返します。その全ての返答が首尾一貫しているか、そして論理的にも破たんしていないかを見極めます。これにより、自分なりの基準を持っているか。日頃どのような事に価値を感じているのかが分かります。
話を論理的に分かりやすく伝えるコツとしては、出来るだけ自分の主観を入れずに、数値化出来る情報を入れる事です。例えば、「サラダよりステーキの方が美味しい」という意見は一見もっともらしく聞こえますが、それはあくまでも自分の主観ですよね。中にはサラダの方が美味しいと思う人もいるからです。それでいて「美味しい」というのも数値化出来ないあいまいな基準です。しかし、「A君よりB君の方が背が高い」というのは、主観は含まれていませんよね。身長は数値化出来るので、人によってその価値が変わる事もありません。
Ⅱ:とにかく否定する
1つの主張や発言に対し、いくつか否定してその反応・対応を見る事でストレス耐性をチェックします。そうする事で、自分の価値観と違うものでも受け入れる柔軟性や順応力があるかどうかが分かります。
会社というのはただ自分のやりたい事をやる場ではありません。企業の目的は利益を出す事です。そのために人を採用し、ゼロから人を育成するのです。「自分は〇〇がやりたいので、〇〇しかやりたくありません」という人材は、いくら優秀でも企業にとっては不要な人材です。
Ⅲ:STAR(スター)手法
応募者が過去にどのような状況や背景の中で、どのような役割を担当し、どのような行動を行い、どのような結果や成果を出したのか、という過去の行動事実を引き出したり、素質や能力のレベルを確認する事が出来ます。
過去の出来事を掘り下げると言っても、何か特別な経験や実績が必要という訳ではありません。ここで大事なのは、その企業でも同じように活躍出来そうな「再現性」のあるエピソードです。
STARとは以下の4つの単語の頭文字を取ったものです。
「S」Situation (状況、周辺環境、背景など)
「T」Task (課題、職務、役割など)
「A」Action (行動、言動など)
「R」Result (結果、成果など)
STARの視点 | 質問側 |
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就活はそれまでの実績だけが全てではありません。殆どの方は同じような志望動機、同じような自己アピールを書いています。だから学歴や実績が優先的に評価されてしまうのです。面接官が、「この人と一度会ってみたい」と思うポイントは、何かを自分でゼロから立ち上げたエピソードや、「自分の言葉」で語る事が出来る再現性のあるエピソードや体験談を持っている人です。
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