なぜ働くのか?働く意味とその理由(前編)
働く意味を見いだせない若者世代
なんとなく就活をしている人がとても多いような気がします。おそらく、「なぜ就活をするのか」「そもそもなぜ働くのか」が分からないからです。やる理由が分からないから、中々そこに気持ちが入らないのです。
なぜ人は働かなくてはいけないのでしょうか。働く事と幸せには、一体どのような関係があるのでしょうか。私の経験とリクルーターという立場から、今回は「なぜ人は働くのか」について紐解いていきたいと思います。
最近の若者は承認欲求が強い割には物欲が無いと言われていますが、それは育った環境と時代の変化によるものが大きいのです。ひと昔前は、新生活の生活必需品として「クーラー・テレビ・自動車」が3種の神器と言われた時代がありました。当時の人はそれを購入し、生活をより便利にさせる事が働くモチベーションになっていたのです。そして高度経済成長期という時代背景が、出世欲の向上を促していたのです。しかし、現在の若い世代は、生活に必要なものは生まれた時点で全て備わっており、更に日本が好景気だった時代も知らないので、何を拠り所にして働けばいいのかが分からないのです。
日本には【教育の義務・勤労の義務・納税の義務】という国民の三大義務がありますが、「義務だから学校を出て働いて納税してくださいね」と言われても、果たしてそれが働く決心や動機に繋がるでしょうか。勿論、生きるためには食べなければなりません。食べるためには働いて稼ぐ必要があります。ただそれはあくまで「生きるため」です。生きるためにやらざるを得ない作業が幸せと言えるのでしょうか。
「仕事なんて楽しいワケが無いだろ。生活するために給料を貰っている立場なんだからそんなの諦めろ。人生は辛い事の方が多いんだ。」、新人の頃上司にそんな事を言われましたが、今思えば相談する相手を間違えていたと思います。「勤労こそ美徳であり、我慢をすれば必ず見返りがある」と錯覚しているのでしょう。そうなると、1番我慢して1番辛い思いをして働いている人が1番お金持ちという事になりますが、残念ながらそんな事はありません。
お金は「自由」になるための手段
「働く事とはお金を稼ぐ事だ」という人もいます。それがモチベーションになるのならそれでもいいと思います。確かにお金があれば何でも買えますが、お金というのは、「自由」になるための手段でしかないのです。
以前、「就活をする理由は自由になるため」という記事を書きました。就業経験を積む事で、自分の得意分野を身に付け、その結果様々な「選択肢」を持つ事が出来るからです。「自由」とは多くの選択肢がある状態です。そして「自由」とは勝ち取るものなのです。
自由の定義としては、free(フリー)だけでなく、liberty(リバティー)というのがあります。freeとは、「職業選択の自由」など広い意味での自由です。そしてlibertyとは、制約や抑圧から抜け出し自由を勝ち取った「状態」の事です。よく知られる「自由の女神」は英語で「the statue of liberty」です。厳密には「自由を勝ち取る女神」という意味なのです。
「自由」だけでは幸せになれない
「お金があれば幸せになれる」そう考える人も多いかもしれません。「もし宝くじが当たったら、仕事なんて辞めて遊んで暮らしたい」と思っているのでしょう。しかし、お金のために働いている人にとって、働く事はただの我慢であって、給料はその「我慢料」でしかありません。だから人生は辛い事ばかりに感じるのです。
以前知り合いの元経営者の方が、「会社を売却して大金を得たはいいけど暇になってしまった。どんなに買い物や散財をしても、暇だと精神的に辛いものです。」それを聞いて私は耳を疑ってしまいました。「そんなにお金があるのに?」。。。信じられないかもしれませんが、精神的に満たされないせいで、裕福でも幸せを感じていない人は意外に多いのです。
就職をして経験を積めば、得意な事を活かし様々な仕事を選択する「自由」が生まれます。そしてお金があれば更に多くの選択肢や時間などの「自由」を得る事が出来ますが、残念ながら「自由」だけでは本当の幸せは得られないのです。
「自由・成長・喜び」
「幸せ」とはモノではなく、「心が満ち足りている状態」の事です。
そのために必要な要素が「自由・成長・喜び」です。
大型連休などであまりに暇な時間が続くと「虚無感」を感じた事があると思います。いくら休みとはいえ、もはや「自由」に意味や価値を感じなくなってしまうからです。「自由になりたいから」という理由で学校や会社をノープランで辞めてもただ暇になってしまうだけです。暇だとむしろ辛いのです。
お金を稼いで多くの選択肢を得ても、いくら沢山時間があっても、「自由」だけでは幸せにはなれません。実は、それを補う「成長」や「喜び」も、働く事で得られるものなのです。(後編に続きます)
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