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通年採用の解禁によるチャンス~組織から個の時代へ~

人と石

優秀な人材が埋もれる日本

私の知り合いでコンビニ店員をしているインドネシア人留学生がいるのですが、よくよく話を聞くと、なんと彼はインドネシア大学(日本でいう東大)を出ていて、日本語も英語もドイツ語もペラペラ、それでいて今は早稲田大学で量子力学を専攻しており、それでも中々就職が決まらないというのです。

インドネシア人留学生「日本が大好きで、このまま日本で就職したいのですが難しいですね。結局決まらなかったので、大学院に行く事で卒業を遅らせました。」

私「・・・・・・・・・・。」

そんな超ハイスペックな人材がコンビニでアルバイトです。こんな人材が埋もれるようでは日本のグローバル化は程遠いと感じてしまいました。これが日本のIT産業が世界に遅れた原因の一つかもしれません。

お笑い芸人でIT企業を経営している厚切りジェイソンという人がいますが、彼は母国アメリカでは飛び級で大学に行くほど優秀で、日本が好きで日本での就職を望んでいましたが、結局アメリカの企業に就職しました。その理由としては、「初任給で倍以上の差があったから」だそうです。

こんな事では本当に優秀な人材は全て外資系企業に流れていくでしょう。たださすがにこのままでは日本企業もヤバいと感じたのか、近年では軒並み大手企業も「通年採用」や「新卒1000万採用」などを行うようになりました。実は近年の採用の変化は、留学生だけでなく日本人にとっても大きなチャンスなのです。

通年採用の解禁で得られるチャンス

私が大きなチャンスだと感じているのが、「大手企業の通年採用の解禁」です。中小企業では以前から当たり前のように1年中通して通年採用が行われていましたが、大手企業の場合は経団連との兼ね合いもあり、面接は6月からで内定解禁は8月以降という「大手特有の就活ルール」があったのです。

どの企業も同じ時期に選考を行うと、どうしても「重複内定」が生じるので、あっという間に採用枠が埋まってしまい、お互いに「取りこぼし」が生じるのです。しかし、就活ルールが解禁され通年採用になる事で、選考時期が人と被りにくくなるので、結果的に企業の窓口や採用のチャンスが開がるのです。分かりやすく例を言うと、大学1年生でもインターンに参加する事で内々定が出る時代だという事です。これは、今までは大手に入れなかったような人でも、「仕事力」さえあれば今後は大手に入りやすくなったという事でもあります。

【通年採用を行っている企業の一例】
ソフトバンク・ネスレ・ユニリーバ・Yahoo・メルカリ・サイバーエージェント・ソニー・富士通など

ただ窓口が広がったのは事実ですが、結局は「実力主義」だという事に注意しましょう。就活ルールが解禁された事で、今後は海外からの優秀な人材もどんどん入ってきますし、既卒でも3年以内は新卒扱いです。これからの時代に重要なのは「〇〇大学を出ました」ではなく、「今何が出来る人なのか」という事なのです。コロナの影響により、従来通りの採用活動が出来なくなったため、この流れは一気に加速していくでしょう。

大手志向からやりがい重視へ~求人倍率の格差拡大~

メンバーシップ型雇用からJOB型雇用へ

メンバーシップ型雇用とは、従来の大手企業の採用方法です。「新卒一括採用」「学歴重視」「年功序列」「終身雇用」という言葉が当てはまります。大量に採用する為、同じ時期に一括採用・一括入社・一括大型研修を行います。長く勤めて貰うために、専門職というより総合職として採用を行う場合が多く、色々なポジションを経験させたり、その会社に適した人材を育成する事を重点に置いています。

メンバーシップ型雇用のメリットとして、安定感があり大きな組織図を作る事が出来ます。しかし、規模が大きいため「分業」が多く、業務が偏り専門性が身に付かないというデメリットがあります。要はその会社で役立つスキルや知識は身に付きますが、汎用性に乏しいので転職や独立に活かす事は難しいという事です。しかも海外は9月卒業という事もあり、グローバル人材の採用が難しく、メンバーシップ型雇用では国際競争力に遅れが生じてしまうのです。

それに対しJOB型雇用とは、「仕事に必要な能力があるかどうか」で採用を行う事です。「グローバル採用」「実力主義」「通年採用」等の言葉が当てはまります。能力で採用するには窓口を広げる必要がある為、JOB型雇用では社歴・学歴・年齢等は重視されません。実力主義ではありますが、能力に応じた評価・待遇・チャンスを得る事が可能です。今後確実に採用はJOB型雇用へと移行していくでしょう。

JOB型雇用へ移行するメリットとして、専門性の向上や国際競争力の強化を図る事が出来ます。そして会社に長く在籍する必要がないので、転職・独立・起業・フリーランスの需要性が高まり、多くの選択肢を持つ事が可能になります。「自由」とはより多くの選択肢を持つという事なのです。これからの時代は「組織」ではなく、完全に「個」の時代なのです。

将来起業独立したい人はエンジニアを目指すといい理由

フリーランスをお勧めする理由

私はよく「起業したい」という相談を受ける事がありますが、サラリーマンがいきなり起業する事はハードルが高くリスクもあるので、ホリエモンの様に「そんなの今すぐやればいいじゃん」というのは絶対お勧めしません。私は自分の経験から、まずは正社員ではなくフリーランスになる事をお勧めしています。フリーランスはどこにも属さない個人事業主なので、経営に必要なノウハウや人脈などが自然と身に付くからです。

実はフリーランス(個人事業主)として独立するという事は、自分を資本とした小さなPL・BSで起業するようなものなのです。あとはそれを必要に応じて少しずつ大きくしていけば、最小限のリスクで起業する事が出来るのです。(それにもしダメだったとしても、スキルさえあればサラリーマンにはいつでも戻れます。)

私の経験上1番簡単なのは、ITエンジニアのフリーランスになる事です。ITスキルというのは汎用性が高く、そのスキルはどの企業でも使えてしまうからです。分かりやすく言うと、地元のセブンイレブンで長年バイトしていた人が、違う地域のセブンイレブンの面接を受けるようなものです。場所が違うだけでやる事はほぼ同じですから面接も余裕ですし、むしろどこで働くか選べるくらいです。

そして私がフリーランス時代に1番のメリットだと感じたのは、いい意味で「仕事の掛け持ち」が可能になる事です。一般的に高収入と言われている職業には、医者・弁護士・大学教授などがありますが、それらの仕事に共通しているのは、皆仕事を掛け持ちしているという事です。医者の主な収入は給料ではなくアルバイトです。優秀な弁護士は常に案件を複数掛け持ちしています。大学教授は企業との共同研究や産学連携などで多くの利益が生じます。公表されているのはあくまで給与であって、実際の収入はその倍以上あるのがザラなのです。

しかし、「仕事を掛け持ちなんてしたら余計に忙しくなるんじゃないか?」と思うでしょう。そんな事はありません。フリーランスというのはプロジェクト単位での契約なので、嫌な仕事は断る事が出来るのです。なので無駄なサービス残業やメリットの無い仕事に付き合う必要が無くなるので、むしろ自分の時間を有効活用出来るようになります。ここがサラリーマンとの大きな違いなのです。

本当に世の中の役に立つ仕事とは何か

これからの採用がJOB型雇用に移行するという事は、働き方も「組織」から「個」の時代になるという事なのです。今後確実にフリーランスの需要が高まり、自分の人生を計画的にキャリアデザインする事が可能になります。それが今後の働き方の主流になっていくでしょう。
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木山智義のプロフィール

株式会社ハイストリート

 

筑波大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程修了
株式会社ハイストリート 代表取締役
東京のIT企業にて年間300人以上の方と面接を行っており、会社を経営しながら、採用コンサルタント、統計アナリストとして活動しております。

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