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終身雇用の崩壊は若者が活躍出来るチャンス

ピラミッド

少子高齢化と2018年問題

「2018年問題」とは、少子化の影響により、2018年を目途に18歳以下の人口が大幅な減少期に入る事です。それにより、大学や予備校の経営が悪化し、企業の学生獲得競争の過熱などが予測されています。少子化問題は今まで何度も提議されてきましたが、18歳以下の人口減少率は、2018年まではゆるやかに推移していたのです。

出生率の低下と平均寿命の増加によって生じるのが「少子高齢化」です。日本が本格的に少子高齢化を迎えた事により、もはや年功序列や終身雇用が崩壊しつつあるのです。

年功序列とは、官公庁や企業などにおいて、勤続年数や年齢などに応じて役職や賃金を上昇させる人事制度・慣習のシステムです。要は能力に関係なく、長く勤めている人を評価する制度です。以前は高度経済成長期という時代背景もあり、ある一定期間は年功序列を維持する事が出来たのです。しかし、この年功序列が企業の足を引っ張っていたのです。

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人口ピラミッドの逆転
人口分布

このグラフを見ると、上段の1950年代は若い世代がとても多く、人口分布は綺麗なピラミッド型をしていました。若い世代が多いという事は純粋に労働力人口も多く、年功序列が経済の発展や生活水準の向上に非常に貢献していたのです。しかし、少子高齢化の影響により、2000年にはピラミッド型からひょうたん型へと変化しました。そして、2050年には人口ピラミッドは完全に逆転してしまいます。

年功序列が維持出来ていた時代は、賃金の安い若い世代が沢山いたため、賃金の高い上の世代を支える事が出来ました。しかし、少子高齢化により若者世代が減少すると、年配世代の高い賃金を維持する事が出来ません。という事は、若い世代が活躍しなければならないのです。

年功序列というのは、「人口と経済が拡大し続けている」という前提があって成立するシステムです。これは何かと似ている気がします。年功序列とねずみ講は永遠に拡大し続けていないと成り立たないのです。

2019年5月、トヨタの社長が「終身雇用を維持する事は難しい」と公に発言し話題になりました。終身雇用というのは、年功序列型の賃金制度が前提となっており、終身雇用と年功序列は表裏一体なのです。「ウチは年功序列だけど終身雇用は無いよ」なんてあり得ないでしょう。終身雇用・年功序列の崩壊により、もはや「勤続年数」による評価ではなく、「能力」で評価する事が必要不可欠なのです。

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若者世代はITが武器になる

しかし、若い世代が年配世代に能力で勝てるでしょうか?知識・経験・パフォーマンスなど、おそらくどれをとっても厳しいでしょう。しかし、若い世代が年配世代に確実に勝る「能力」があります。それがITです。

ITに関しては若い世代の方が確実に分があります。自分の親世代にパソコンや携帯機器の事で負ける気がしないでしょう?未だにテレビショッピングが流行っているのは、ターゲットの高齢者層がネットを使いこなせないからです。だから安くもないのに売れているのです。

「長く勤めている」という理由で、何のITスキルも無いのに、給料だけは平社員の倍以上貰っているというケースはザラにあります。技術的な部分は部下に一任し、管理する側に回ればいいからです。年配世代は若い人をそこまで頼りにしていなくとも、「パソコンの事に関しては若い人の方が得意」という共通認識があるのです。

だからこそ若い世代はITを武器にしないといけないのです。これは若者にとってチャンスでもあります。仕事選びで重要なのは得意な事を活かす事です。私はよく学生から就活の相談を受けますが、「もし拘りが無いのであれば、まずはIT関係の仕事に就きなさい」と必ずアドバイスしています。もちろん人には向き不向きがあり、何に向いているかはやってみないと分かりませんが、最初にIT系の仕事を経験しておけば、後から違う仕事に就く事は簡単だからです。IT系(技術系)から営業への転職は可能ですが、その逆は難しいのです。だから若いうちは出来るだけITや技術系の仕事に拘った方が後で潰しが効くのです。

ITの知識やスキルは理系文系関係無く誰でも身に付けられるので、IT関連への就職は、自分の能力・市場価値を高めやすいというベネフィットがあるのです。

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若い人こそ活躍するべき

GAFA(Google・apple・Facebook・Amazon)のような巨大IT企業に共通している経営方針があります。それは、完全に能力主義で、若い人が権限を持っている事です。成功している企業に多い共通点は、若い人を重要なポストに就かせる事で自由と責任を与え、更にお金も集まっている事です。

上司には監督権限や予算執行権限などがあるので、部下は説明・報告する義務があります。しかし、仕事を遂行する上では、本来そこに上下関係はありません。あくまで「自分の仕事」なので、むしろ遂行する人の方が責任や権限を持って取り組んだ方がいいのです。それと年功序列が繋がってしまうと、本来仕事は対等な関係でなければならないのに、言われた事しかやらなくなってしまうのです。

私が大学院で感じた事ですが、優秀な人材が集まるトップレベルの研究室には、「自由・責任・研究費用」が十分に与えられているという共通点があるのです。教授は学生を監督する義務がありますが、教授よりも学生の方が研究に関しては権力が上なのです。教授が下手に口出しをしてしまうと、「その人の論文」ではなくなってしまうからです。院生より大学生の方が多く論文を書く事もありますし、そこに年功序列は存在しません。実は優秀な人ほど、自分に合わない研究室はあっさりと辞めてしまうのです。

自由と責任があるからこそ、年齢に関係無く「能力」を思う存分発揮出来るのです。少子高齢化により、年配世代が若者の人口を上回るという事は、若い世代が活躍していなければなりません。そのためには、能力で評価される仕事をする事、即ちITを武器にする事が必須になります。「年功序列」は少子化により成り立たないというよりも、既にもう時代にそぐわないのです。
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木山智義のプロフィール

株式会社ハイストリート

 

筑波大学大学院 生命環境科学研究科 博士前期課程修了
株式会社ハイストリート 代表取締役
東京のIT企業にて年間300人以上の方と面接を行っており、会社を経営しながら、採用コンサルタント、統計アナリストとして活動しております。

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