アスリートから学ぶセルフマネジメント
アスリートはセルフマネジメントに長けている
どの企業も出来る限り優秀な人材を採用したいと考えていますが、企業によって採用基準というのは様々です。筆記の点数や、学部・専攻を重視する企業もあれば、中にはスポーツが得意なアスリートに特化した採用を行っている企業も多数あります。
大学時代に部活やスポーツで優秀な成績を修めた人は就活では大変有利です。有名なところでは、慶応大学のラグビー部の就職先が世界に名だたる大企業ばかりなのです。
では何故アスリートは就職に有利なのでしょうか?
学部や専攻で得た専門知識を仕事で活かす事は出来ますが、スポーツで得た経験はどのように就業で活かせるのでしょうか?
一般的に、強豪と呼ばれる体育会系の学生は、普段から厳しいトレーニングや常にプレッシャーにさらされているため、一般の学生よりもメンタルが強い傾向にあります。更にスポーツの世界では上下関係も厳しく育てられている為、社会人としての順応性も高いのです。
そして、アスリートがビジネスで活躍出来る1番の理由は、セルフマネジメントに長けているからです。
セルフマネジメントとは、自分自身を統制して管理することです。仕事の場面で応用すると、目標の達成や、生産性の向上、ストレス管理などに役立てることができます。要は自己管理能力に優れている為、何事に能動的に取り組む事で結果を出す事が出来るのです。
以前、「仕事で活躍する人材の条件」という記事を書きましたが、優秀な人間というのは学歴ではなく、自らの成長を他人に委ねない人です。要は何事も能動的に取り組む事が出来る人なのです。一言で言ってしまえば、絶対にサボらない人です。
チームスポーツは自己管理能力を育てる理想のカタチ
誰だって「サボれる状態ならサボりたい」、という気持ちはあると思います。中には要領よくサボる事で定年まで残る人もいますが、そういう人は自己管理能力が低く、世の中に何も貢献出来ていないのです。
「自分自身を常に統制管理(セルフマネジメント)しながら高い目標を達成する。」このような企業が求める理想の人物像に近づく為には、チームスポーツは理想のカタチだと思います。
野球は9人、サッカーなら11人、全員がその役割を果たす事で初めてそのミッションを果たす事が出来ます。当然誰か1人サボっただけで試合に負けてしまいます。チームスポーツというのはとても良く出来ていて、ちゃんと必要なポジションに必要な役割があるのです。
チームスポーツには、ピッチャーやゴールキーパー等、全員にその役割が決まっています。チームを勝利に導くためには、まず自分がその役割を認識しなければなりません。そして自分がどうあるべきかを分析し、何を勉強すべきか、どういう行動をすべきか、それらを常に意識したセルフマネジメント能力を育てる事が出来るのがチームスポーツなのです。
2018年の平昌オリンピックのカーリングで銅メダルを受賞した本橋麻里選手をご存じでしょうか。実はこの本橋選手はチームのキャプテンですがリザーブの補欠なのです。しかも補欠なのにメダルも授与されています。
ではなぜ本橋選手は補欠なのにキャプテンなのでしょうか?
カーリングというのは4人で行うチームスポーツです。そして4人それぞれに役割が決まっていますが、本橋選手はこの4つのポジション全てを行う事が出来るのです。レギュラーの誰かに何かあった時にすぐに入れるように、自分はリザーブとして登録しているのです。
本橋選手は全員のポジションが出来るので、それぞれの立場に立って綿密な作戦を立てる事が出来ます。そして試合前日の夜の氷の状態を調べたり、ストーンを磨いたり器具のメンテナンスをしたり、チームの要として活躍する事が出来る人材なのです。他の競技の監督のように、ベンチで腕を組んで試合を眺めている元現役選手という訳ではないのです。
だからカーリングの競技自体は4人で行うのに、本橋選手を含めた5個のメダルが全員に与えられるのです。
企業もこのような「仕事力」の高い人を評価をしているのです。だからサッカーワールドカップの場合も、優勝すると試合に出た11人だけでなく代表選手全てにメダルが与えられるのです。
常に1番前に出てくるような、ガツガツしたワンマンプレーを行う人は確実に落ちます。そういう人はいくら身体能力が高くても、「人と協力する事が出来ないチームワークが欠けている人」という評価をされてしまうからです。就活もそれと同じで、特にグループディスカッションではまさにどれだけ人と協力する事が出来るかを見られているのです。
チームを勝利に導く為には、1人1人が違う役割をこなし、同じ目標に向かって、どれだけ協力し合えるかが重要なのです。それはまさに企業で働く事そのものなのです。そして自己管理能力を伸ばすポイントは、自分の一長一短を知り、自分の役割や得意な事を認識する事です。決して身体能力が高い人だけの専売特許ではないのです。諦めたらそこで試合終了ですよ。
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