本当の優良企業とは何なのか
ゆるい大企業を去る若手が増えている
近年、高い倍率を勝ち抜いて大企業に入社したにも関わらず、若手社員の間で早期離職が増えているのです。働き方改革・ゆとり教育・SNS等の影響によって過度な残業やパワハラ等が無くなり、多くの職場は一見働きやすくなりました。しかしその反面、「上司が部下を扱いにくくなった」という現象が起きているのです。
以前と違い部下に無理な残業はさせられない為、上司がより多くの仕事を抱えてしまう傾向があり、それによって多くの若者は成長の場を失う事になってしまいました。そうなるといくら業務がホワイトでも、「ここに居ても成長出来ないから」という理由で辞める若者が増えているのです。
要は仕事が緩すぎても人は不安になってしまうのです。そもそも残業やパワハラありきの仕事が成立していたのは、どんなに理不尽でもそれ以上の成長や喜びがあったからなのです。
本当に面白い仕事とは成長出来る仕事の事なのです。人間の脳は「成長」を感じる事で、その作業に伴う苦労・疲労・時間などを超越してしまう性質があるからです。だから楽しい時間は短く感じるのです。そして成長がない仕事は長く感じるのでつまらないのです。
「大手企業だからいい人材を育てる」という事はありません。優秀な人を沢山採用すれば結果的にいい人材が残るのがリクルーティングです。一流大学や大手企業に行けば素晴らしい事が学べるなんて大間違いです。
早期離職の原因として考えられるのは、「志望動機が無い」にも関わらず大手企業は応募者の「質」で内定を出す傾向があるからです。そもそも本当の動機(やる気)が無いのに頑張れる筈がありません。実はこれがリクルーティングの弊害なのです。
リクルーティングとハイヤリング
リクルーティングとは大手企業が使う採用方法です。これは「分母を増やす」という意味で、応募者数を増やす事で理想の採用に繋げるやり方です。リクルートという会社は元は広告会社ですが、いかに母集団を増やせるかが自社の利益に直結していたのです。このリクルーティングを一言で言うと「選ぶ採用」です。
そしてハイヤリングとは外資系や中小企業が使う採用方法です。直訳すると「雇用契約をする」という意味ですが、近年では「動機付け」というモチベートの意味で使用しています。採用の段階で動機付けをする事で入社の意志を高めていく手法です。大手は沢山の応募者の中から選ぶ採用を行うので、1人1人に動機付けをする事が難しいのです。
大手と違い中小企業は1人でも応募者がいればどこでも説明会を行います。そして採用担当は現場の育成担当も兼ねているケースが多く、「この人なら自分が育てられる」という点が採用基準になるのです。要はスキルよりも、人として気に入られる人間かどうかが重要なのです。
大手企業の人事は最初から人事として入社していたり、実際の現場を知らないまま採用を行っているケースがあるのです。下手をすると別会社の天下りの人間が面接官だったりするので、どうしても「イメージ」で選考を行ってしまうのです。もし現場から採用についてクレームが上がった時に、第三者を納得させる理由が必要となるからです。だから大手ほど学歴を重視するのです。採用と現場が完全に別だからです。
実はそれならまだいい方で、最悪な事に採用をリクルートに丸投げしてしまう会社も多く、そうなると適性や動機付けどころか、「いかに高学歴の人材を集めていくらで売るか」という事に執着してしまうのです。だから大手中小に限らず内定辞退が生じるのです。
優良企業に明確な定義はない
「どうせなら優良企業に行きたい」という人が殆どでしょう。しかし、優良企業という言葉に明確な定義はありません。給与面・離職率・ワークライフバランス・休暇の取りやすさ等、人によって定義がバラバラなので、大手企業イコール優良企業というわけではないのです。そんな「優良企業」という空虚な言葉に価値を感じてしまうと、多少のミスマッチにも目を瞑ってしまうのです。
【本当の優良企業】というのは企業規模ではなく、 採用の段階で「適切な動機付け」をしてくれる企業の事なのです。 動機とは、人が意志を決めたり行動を起こしたりする直接の原因の事です。 本当の動機こそがモチベーションになり人生の豊かさに直結するのです。 |
具体的に言うと、適正に合った明確な成長イメージ・社会的意義・正しい就労観などを与えてくれる企業の事です。ちなみにダメな例としては、説明会で自社の市場規模や自社サービスだけを自慢げに紹介してしまうような会社です。大手によくありがちですが、これではいつまでたってもお客様目線のまま入社してしまうので、入社後もなぜその会社を選んだのかが分からないのです。そして最悪なのは待遇や福利厚生だけをアピールする会社です。待遇で選ぶ人は必ず待遇を理由に辞めます。本当の安定とは企業規模ではなく成長の上にあるのです。
一番大事なのは「本当の動機」であって、働きやすさ・待遇・福利厚生等はモチベートの手段でしかないのです。いくら待遇が良くてもモチベーションが上がらなければ意味が無いでしょう?。なのに「適切な動機付け」が無いまま入社してしまうと、モチベーションが無いので入社後も成長を感じる事が出来ないのです。
きちんとした「動機」がある人というのは、どんなに大変な事があっても多少の事ではへこたれないのです。私が起業独立した時は月に300時間以上働いていましたが、それによって得られる成長や喜びの方が圧倒的に上回るからです。
リオオリンピック代表で体操選手の宮川紗江選手が、コーチから受けた暴力問題について、「私はパワハラを受けた覚えはありません。」ときっぱりと否定していたにも関わらず、実際は何度も平手打ちをされていた動画が流出し社会問題になりました。彼女の強い意志の根底にあるのは「強い動機」です。「オリンピックに行きたい」という動機付けがしっかりとされているからです。本当の動機こそが生きる上でのモチベーションになるからです。
志望動機や動機付けに必要な3つの要素
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